こんなに日が照っている日に、よく外に出ようなんて気になるもんだ、と半分感心し、半分呆れて窓から見下ろす。
ヒューゴは外が好きだから──というよりも、風が好きらしいのだが──いつも外にいる。大抵誰かと一緒に。
人当たりの柔らかい性格だし、立場もある。一緒にいると言うよりは、付き纏われているようにシーザーには見えていた。
今日は特別酷い。
ヒューゴの進路が塞がれて、進めないでいる。
彼はある種の感情は隠すのが上手いから、巧みに笑顔を顔に張り付けているが、シーザーから見れば迷惑そうだ。
談笑する声がここまで聞こえる。
ここから呼んでも聞こえるはずがないだろうと思いながら、少し試したい気もする。
声を出さずに、口だけを動かして呼ぶ。
──ヒューゴ──
ヒューゴが振り向いて見上げた。
驚いた。
シーザーを見つけたらしく、こちらに向かって笑いかける。
それに答えてシーザーが手を軽く振ると、振り返す。
しかし彼は取り巻きに呼ばれて、視線をはずしてしまった。
偶然、ということもあるだろう。そう考えるのが妥当だ。
もう一回試してみたらわかる。
同じように、声を出さずに。
──ヒューゴ──
さすがに二度は無かった。
ならば声を少し出して。
それほど張り上げずに、騒音が無ければ届く程度で。
「ヒューゴ」
振り返った。
「なに?」
返事がある。
「聞こえたんだ?」
「うん」
「なんで?」
「聞こえるのに理由なんてあるのか?」
苦笑して、それから手を振る。邪魔してごめん、特に用は無い、とその動作で伝える。
(理由、あるだろ。気付けよ)
ヒューゴを見下ろしながら、小さく笑んだ。
シーザーを特別意識していなければ、どうしてこの微かな呼び掛けが聞こえよう。
呟くように、囁くように、けれど聞こえるように彼に向かって言葉を投げる。
「ヒューゴ」
今度ばかりは無視された。
遊んでいることが知れたらしい。
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